人生を通して共通する「生きづらさ」と早期不適応的スキーマについて

スキーマ療法ワークブックレッスン8 スキーマ療法

スキーマ療法ワークブックのレッスン7はレッスン2からレッスン6まで続いたスキーマ療法のお膳立てのおさらいでした。サポートネットワーク、セルフモニタリング、マインドフルネス、コーピングレパートリー、それぞれの基本的知識と行ったワークの確認です。(おさらいのためこのブログ上では大きく取り上げません)そしてレッスン8からはいよいよスキーマ療法が本格的に始まります。今回はレッスン8の「スキーマ療法の考え方の理解」についてです。

スキーマ療法が生まれた背景

スキーマ療法は米国心理学者のジェフリー・ヤング先生によって開発されました。ヤング先生が認知行動療法にて治療を行う中で、認知行動療法ではなかなか解決されなかった、患者さんのより心の深い部分の傷つき、ずっと抱えてきた生きづらさ、といった深くて広いレベルで苦しむ人を助けるために、認知行動療法を発展させた手法のようです。

スキーマって何!?

この「スキーマ」というのは、認知のより深い部分のことを指すようです。本書では浅いレベルの認知が自動思考、深いレベルの認知をスキーマと呼んでいます。自動思考は認知行動療法で紹介された、ぱっと思い浮かぶ(浮かんでしまう)思考のことでした。実はその自動思考は、様々な思いやイメージ、価値観やルールを反映しており、それがスキーマだとセルフモニタリングの章で紹介されていました。本書のイラストが分かりやすいので真似て作成しました。

スキーマの概念図

スキーマ療法が目指すこと

このスキーマ療法でいったい何がどう改善するのでしょうか。例えば、「自分が嫌いだ」「自分に自信が持てない」「幼少期の傷つき体験から逃れられない」という問題を抱えていたとします。このような「人生レベルの問題」を解決するために、表層的ではない、認知のより深い部分である「スキーマ」を変えていくことで心を回復していき、生きづらさを克服していく、というような感じです。

ワークブックの説明を踏まえて大まかに3つのステップに分けてみました。

  1. 自分を生きづらくさせるスキーマ(すなわち早期不適応的スキーマ)が何であるか理解する
  2. そのスキーマを手放す
  3. 自分を生きやすくしてくれる、ハッピースキーマを手に入れる

上記の流れで(ワークブックでは)スキーマ療法を行っていくようです。

早期不適応スキーマについて

スキーマ療法が目指すところ

先ほどの説明で「早期不適応スキーマ」という専門用語が出てきましたが、ワークでも自分がどのような早期不適応的スキーマが理解するのかがまずポイントになります。(実際どのような早期不適応的スキーマがあるのかはBook2で紹介されています。)早期不適応的スキーマとはワークブックでは、

主に幼少期や思春期(人生の早期)に形成されて、その時は必要だったかもしれないけれども、今ではその人を生きづらくさせてしまっているスキーマ

と定義されています。

幼少期に虐待されて育ってきた人が、「人は自分をいじめる存在だ」と思い、その時は本当にそう信じることで自分を守ることに役立った思い込みが、大人になって社会で働く上で様々な問題を引き起こす、そのような「早期不適応」的な思い込み、傷つき体験に基づく「自分とは、人生とは、人とは、社会とはこういうものだ!」という考え方が「早期不適応的スキーマ」と呼ばれるようです。

スキーマは、観念/信念とも言えるのでは!?

このスキーマ、言い換えれば「観念」や「信念」とも言えるのではないかと思います。作家の本田健さんのブログや書籍でも、この「観念」という言葉でスキーマと似たような考え方が紹介されています。

ここでいう観念とは、親から受け継いだ価値観や、その人の人生の体験、ドラマなどから生まれた固定化した物事のとらえ方・考え方、また文化や社会の習慣から生まれた考え方をいいます。

引用元:この「観念」が願望達成を妨げる

上記の記事では願望達成という文脈で「観念」という言葉が用いられていますが、この観念を「スキーマ」に置き換えても理解できるのではないかと思います。

スキーマ療法の今後の進め方の紹介

最後に、ワークブックでのスキーマ療法の今後の進め方の紹介が載っていたので、手短に紹介したいと思います。このブログ記事も今後以下のレッスンのワークの流れに沿って書いていきたいと思います。

  1. 安全なイメージ作り
  2. これまで生きてきた道のりを振り返る
  3. 早期不適応的スキーマを理解する
  4. 自分にどの早期不適応的スキーマがあるかを理解する
  5. スキーマモードという視点から自分を理解する
  6. スキーマやスキーマモードをマインドフルにモニタリングする
  7. ハッピースキーマを探してみる
  8. ハッピースキーマを作ってみる
  9. ハッピースキーマに沿って行動してみる
  10. モードワークを身につける、ヘルシーモードを自分の中に作っていく

以上、次回はいよいよスキーマ療法第一弾の安全なイメージ作りについてです。

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