スキーマ療法を2年やってみた効果と感想

スキーマ療法を2年間やってみた効果と感想 スキーマ療法

「スキーマ療法を続けてみてはいるものの、本当に効果があるんだろうか?」

そんな疑問をお持ちではないでしょうか?

この記事では2年間のスキーマ療法を、「スキーマ療法ワークブックBook1、Book2」を使用して行ってきた結果をお伝えします。

スキーマ療法に現在取り組んでいる方、今うつ病でスキーマ療法に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

スキーマ療法は以下の2冊のワークブックで進めました。

スキーマ療法って何?という方は、まずこのブログの「スキーマ療法との出会いと「自分でできるスキーマ療法ワークブック」のワーク1の実践」という記事をお読みください。

2年前スキーマ療法を始めた当初の早期不適応的スキーマの状況

2年前スキーマ療法を始めた当初は、早期不適応的スキーマがかなり多く当てはまっていました。

早期不適応的スキーマとは何?という方はこのブログの「」という記事をお読みください。

2年前は特に、早期不適応的スキーマの中でも「第4領域」と呼ばれるスキーマが全く健全じゃない状態でした。

念のため、表でも記載しておきます。

領域 スキーマの名前 スキーマの強度
第一領域のスキーマ 欠陥・恥スキーマ、孤立スキーマ 40%、30%
第二領域のスキーマ 無能・依存スキーマ、失敗スキーマ 20%、40%
第三領域のスキーマ 「ほめられたい」「評価されたい」スキーマ 50%
第四領域のスキーマ 感情抑制スキーマ、否定・悲観スキーマ、完璧主義的「べき」スキーマ、「できなければ罰されるべき」スキーマ 90%、100%、100%、95%
第五領域のスキーマ 「オレ様・承応様」スキーマ 10%

第4領域は、「物事を悲観し、自分や他人を追い詰めること」と説明されています。

本当にその通りで、特にスキーマ療法を始めた当初は人生全体に疲れ切っていたので悲観モードでしたし、常に自分を追い詰めてる、そんな状態でした。

スキーマ療法を始めて1年の状況

1年間でかなり先ほどのスキーマが改善されました。

ただ根強く残っているスキーマもあり、それが「できなければ罰せられるべき」スキーマ。

「自分のミスに対してそのまま怒りをぶつけてしまう」状況でした。

何か失敗をした時に、必要以上に過敏に反応し、自分自身に怒り狂うわけです。

1年前では定期的にこのように自分に対して怒りが爆発する時が何度かありました。

1年前の状況については「1年間スキーマ療法をやってみての変化と効果」の記事に詳しく記載しているので読んで見てください。

スキーマ療法で2年間行ってきたこと

この2年間で行ったこと

この2年間で行ったことは、正直1年前とあまり変わりません。

基本的には、

  • 朝にハッピースキーマを読む
  • 衝動的に出てきたらまずはマインドフルに感じる
  • スキーマが活性化したらモードワークを行う

の3つを行っていました。

とは言っても、朝のハッピースキーマの読み込みも、忘れてしまう日もありましたし、思わずスキーマに引きづられてしまったこともあります。

モードワークに関しても、日々の生活の中で最低限やる感じです。

具体的には、「もうそのモードはいらないからさっさと出てけ。」と言う、というような具合。

しっかりと取り組んでいる人と比べると、かなり適当に取り組んでいるなぁ、と言われても過言ではありません笑

後ほど言う根深いスキーマ以外は、特にがっつりとモードワークを行うことはしませんでした。

2年後の早期不適応的スキーマの状況

スキーマ療法を初めてからの現在の様子ですが、一言で言うとかなりよくなっています。

各早期不適応的スキーマの紹介を交えつつ、今の自分の状態を解説していきます。

全部書くと量が多いので、特に始めた頃50%以上当てはまると感じたスキーマについて書いていきます。

「褒められたい」「評価されたい」スキーマ

まずはワークブックの解説を引用しますね。

  • 「自分の価値は他人からの評価次第」と思う
  • 評価されれば自分に価値があり、評価されないと価値がないと落ち込む

今の私の感覚ですと、「褒められたらもちろん嬉しい。だけど褒められなかったからといって、『自分の価値は他人からの評価次第』とは思えない。』という感じです。

他人から評価されなくても、全く自分がダメだとは思いません。(もちろん全く評価されないのは悲しいですが)

昔と比べると、もっと公平な目線で見られるようになったと思います。

スキーマ療法前では、この他人からの評価がなかったら直接それを口実に自分を責めて傷つけていたのですが、今はそうすることがほとんどなくなりました。

否定・悲観スキーマ

  • 人生や物事の否定的な面ばかりを捉え、悲観するのがこのスキーマ
  • いわゆるマイナス思考
  • 「〜だったらどうしよう?」「どうせ」が口癖
  • 表情がいつも険しく、眉間にシワを寄せている

今の自分の思考だと、たとえネガティブなことが起こっても、何かしらポジティブな見方をしようと思考が働きます。

すごい変化ですよね。

でも「ポジティブな物の見方をしなきゃ〜!!!」と必死にやっているわけでもありません。

ポジティブ思考の自己啓発本を読んで、無理にポジティブに考えようとすることがあるかと思うのですが(私はありました)、そこまで無理なく、自然とできるようになってきました。

(もちろんいきなりできるようにはなりませんでしたが。)

昔は必死だったり、ポジティブに考えられない自分を責めたりしていた。

昔変えようとしても変えられなかったのは、この「否定・悲観スキーマ」が根強く、そっちに負けてしまっていたからだと思います。

モードワークをやってからは、段々とこのスキーマの力が弱まり、次第にポジティブな物の見方ができるようになってきました。

感情抑制スキーマ

  • 様々なタイプがあるスキーマ
  • 特定の感情を抑制するスキーマもあれば、感情全般を抑制するスキーマ、感情を外に出すことを抑制するスキーマもある
  • あたかも感情がないかのように淡々と振る舞う

現在でも感情表現は苦手ですが、昔ほど自分の感情を抑制することはなくなったなと感じます。(むしろ分かりやすいぐらい顔に出てしまう笑)

以前はもっと、「自分の感情を知られるのは恥ずかしい」といった気持ちが強かったのですが、今は以前ほど抵抗感を感じません。

かと言って、全てをさらけ出せるかというと、それはやはり抵抗感はあります。

ただ「恥ずかしい」といった感情が以前ほどは感じなくなってきました。

これは周りの環境が自分を受け入れてくれてる環境であることも大きいかもしれません。(今自分がいる環境は過去に様々な体験をしてきた方が多く、みんな他人に対して寛容なのです)

完璧主義的「べき」スキーマ

  • 「100点満点じゃないとダメ」と非常に高い基準を設定する
  • その基準をクリアするよう「できる限り努力すべき」「目標を達成すまで休んではならない」と追い詰めていく
  • 「べき」「ねばならない」が口癖
  • ちっとも楽しそうじゃない

このスキーマが過去最も自分にあったスキーマなのですが、こちらもかなり弱まってきました。

今でも完璧主義な部分はたくさんあるのですが、上記の説明で書かれている極端な感じは弱まっています。

以前は自分で自分を追い込み、「努力するのは当たり前」「お前に休む暇なんかあるの?」と本当に追い立てていました。

しかし現在は適度に休みを取り、目標に対しては淡々と取り組む、といった感じです。

完璧じゃなくても、適度に力を抜くことも覚えてきています(それでも完璧じゃないことに対する気持ち悪さはありますが、スキーマだと言い聞かせます。特に仕事では完璧が価値ではないこともありますので注意しています。)

この2年間で一番変わったのは、このスキーマかもしれません。

「できなければ罰されるべき」スキーマ

  • 失敗した時に「✕を与えられるべきだ」と思っている
  • 自分や他人を「許す」ことができない
  • 自分だけにこのスキーマが向いている場合とにかく自分に厳しく振る舞う
  • 何か失敗しようものなら、「何やってるの!」と自分を叱責し、懲罰を与える。激しい場合自傷行為をすることもある

このスキーマも過去、とても顕著にあったのですが、現在はほとんど出てこなくなりました。

先ほど説明したように、1年前はまだ失敗した自分に対して「自傷行為」をすることもあったのですが、現在はほとんどやりません。(痛いだけだし。。)

特にこの自分を傷つけるスキーマに対しては、それに対抗するための文言をハッピースキーマに盛り込んだので、それが効を奏してるのかもしれません。

とにかく、このスキーマが活性化する回数がこの1年でぐっと減り、ほとんど出てこなくなりました。

その他自分特有のスキーマについて

モードワークをやる時に外在化した、「傷つける大人モード」の各オリジナルスキーマですが、どれもかなり弱まってきています。

1年前は自分が何かミスをした時に怒りが爆発していましたが、現在はほぼ怒らなくなりました。

何かミスをしても、淡々と対処することができるようになった!成長してる!

自傷行為をしていた時と比べると、劇的な変化です。

スキーマ療法で2年間行ってきたこと

とは言っても全てのスキーマが消えたわけではない

スキーマ療法を進めるにあたって、新たにより顕在化してきたスキーマもあります。

今最も頻繁に出てくるスキーマが、「認めたくない自分に『死ね』と言うスキーマ」です。

こいつが、出てくるんですよ。事あるごとに。

自分の中で認めたくない自分を感じた時、何となく人から嫌われてるなと感じた時、「死ね。」と言って出てくるのです。

このスキーマは昔は多くの他のスキーマと一緒に存在はしていたのですが、他のスキーマが大人しくなった分、より活性化してきたと感じます。

今まで他のスキーマでうさ晴らしできていたエネルギーが、他のスキーマが活性化しないことにより、全てこの「死ねというスキーマ」に集まってきてるのではと感じます。

傷つける大人モードのうちの一つですが、先日このモードに対してしっかりとモードワークを行いました。

しかも結構しつこかったので、2回ほどモード名を変えてモードワークを行いました。

鈴木恵美先生も、ワークブックの最後の方で、

そのとき抱えていたのとは違う、別の生きづらさを発見することもよくあることです。

と書かれています。まさに、スキーマが回復すると別の潜伏していたスキーマがより表面化してくる、という感じです。

悲観的にはならず、今後もどんどん生きやすくなることに希望を感じる

ただだからと言って、「今後も一生これが続いていくのか…」という悲観的な気持ちではあまりありません。

なぜなら、この2年間で確実に自分の中にあるスキーマを克服して、生きやすくはなってきているからです。

何より、新たなスキーマが出てきても、既に対処方法を知っており、どうすれば克服できるか分かってるのが大きい。

今はまだ根深いスキーマであっても、スキーマ療法を続けていくうちに段々と消えていく。

そう確信できているため、心持ちもあまり悲観的にはなりません。

今後もまた新たにスキーマを発見するかもしれませんが、今まで身につけたコーピングスキルやマインドフルネスのスキル、そしてモードワークのスキルが使えるわけです。

しかも使えば使うほどどんどん自分の中で上手に扱えるようになっていきます。

もし、「今後もどんどんスキーマが見つかって終わりがない、絶望しかない」と感じている人がいるのであれば、「そんなに絶望することはないよ」と伝えてあげたいです。

まとめ

2年間のスキーマ療法をやってみての感想ですが、始めた当初根強かったスキーマが大分克服できてよかったです。

自分の場合は、境界線人格障害の方と比べるとそこまで重症ではない、というのもあるとは思います。

しかし、例えより重症な方であっても、続けている内に段々と生きやすくなっていくとは思うので、諦めず取り組んでみてください。

今後もまたこのブログで不定期ですが治療経過を報告していきたいと思います。

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